天使と悪魔の記録

 

公園デビュー

こなつが生まれる2年ほど前、
「公園デビュー」と言う言葉をマスコミが頻繁に取り上げていた。
子供を持つお母さんが、公園の人間関係に苦労するという内容だった。
同じくらいの子供を持つお母さんは、私よりずっと若いだろうし、
人間関係は難しいかもと、私も漠然と思っていた。
でも、こなつは3ヶ月くらいからお散歩が大好き。
散歩へ連れて行くと疲れてよく寝るし、何より私の気分転換になる。
ちょうど熱い時期だったので、夕方頃私はよく散歩に出た。
私の住む家の近くには、林のあるW公園、少し広めのKD公園、
噴水のあるKI公園があった。
散歩コースにはKI公園が一番良い位置にあったので、
よくその公園を抜けて行った。
しかし、赤ちゃんがいない…。
とにかく、同じころの子供がいない…。
やはり少子化。子供はあまりいないのかな、思っていた。

コースを変えてW公園へ行ってみた。
入ったとたん、指すような視線…。
新参者を値踏みするような感じ…。
駄目だ…。私、ここ苦手…。即、通り抜けうちへ帰った。
今から思えば、考え過ぎだったのかもしれないけど、
何となく雰囲気が生き苦しかった。

KD公園へ行くと、人がいない…。
誰もいない、い?いた!!
ここの公園の住人と思える人物が、
公園の真ん中のベンチで腹を出して寝ていた…。
気付かれないように、そっとその公園をあとにした。

やっぱり、KI公園が一番感じが良い。
ある日、いつものように公園へ行くと二組の親子がベンチに座っていた。
こなつと同じくらいの赤ちゃんを連れている。
にっこり笑って、声をかけてくださった。
「何ヶ月ですか?」(これは、定番)
その時、こなつはすでに5ヶ月だった。
(公園で同じくらいの親子に会うまでに、2ヶ月かかったわけね)
その二人の赤ちゃんはZ君が3ヶ月、W君が4ヶ月だった。
Z君のお母さんと、W君のお母さんから児童館で月に1回
同じくらいの赤ちゃんを持つお母さんが集まる
サークルがあることを教えていただいた。
次の日から、その公園へ行くとMEちゃん、K君、SYちゃん、RKちゃん、
と続々同じくらいの赤ちゃんづれのお母さんと知りあい、
児童館のサークルがあることを教えた。
結局そのサークルで20組ほどの親子と知りあい、
月に一度じゃ寂しいので、月に2度集まろうと自分たちで決め、
1年間楽しく過ごすことになる。
こんなに近くに、こんなにたくさん同じくらいの
赤ちゃんがいたのになぜあわなかったんだろうと思ったが、
なんのことはない。
みんな暑かったから、散歩に出ていないだけだった…。
ちなみに、お母さん達の年齢はほとんど私と一緒…。
20代の方は、ほとんどいなかった。
土地柄もあるかもしれないが、
やはり、今は30代で産むのが当たり前になってきているのかもしれない。

初めての児童館の集まりの時の写真を見ると、
こなつがW君の髪の毛を引っ張っている…。
W君とこなつの位置関係は、この時からもうきまっていた…。

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