天使と悪魔の記録

 

2001の夏休み

8月10日〜8月16日下田にて。

幼児と昆虫

こなつは虫が嫌いだ。あんなにやんちゃで男らしい(?)のに、
虫だけはどうしても触れない。
下田の別荘は、海から少し山を登ったところにあり、まわりは雑木林だ。
以前はクワガタや、カブトムシも見かけたのだが、
最近は残念ながらあまり見かけない。
夜になると、珍しく雌のカブトムシが網戸に張り付いた。
私がとってこなつに渡すが、怖がって触れない。
「今時かぶとなんてすごく貴重だし、高いんだから触ってみな。」
と、言うが全然だめ。
みんみん蝉や、ツクツクホウシ、蜩蝉など、
東京じゃ見かけなくなった蝉も捕まえてあげたが、
「ビービー」鳴く声に更に脅えてしまった。

朝、ベランダで食事をしていると、黄金虫が2匹寄ってきた。
昨夜のかぶとより小さくて、
ぴかぴか光る黄金虫をこなつは気にいったようだ。
「おかあさん、黄金虫にご飯あげるからなんかちょうだい!」
トマトしかなかったので、トマトをあげてみると
おいしそうに黄金虫は食べだした。
こなつは自分があげたトマトを食べてくれたことにすっかり感激して、
黄金虫がますます好きになった。
恐る恐る触ってみる。
手に乗せてあげると、足が引っ掛かった痛がったが、そのまま乗せている。
家に連れて入り、おもちゃのイスを並べて曲芸を始めた。
「はーい、こがねちゃんこっちのイスに飛んでくださーーい。」
でも、こなつの言う通りになんか動かない。
こなつは無理やり乗せようとして足を引っ張った(;_;)。
「ほんの少しの力で、足は取れちゃうんだよ。」と、
注意するがやはり扱いは乱暴…。
散々おもちゃにされた黄金虫は、
心の底から嫌気が差したのか、飛んで逃げてしまった。
「うぎゃーーん!」泣くこなつ。
しかし、黄金虫の代わりはいくらでもいる。
哀れな次のいけにえが捕獲されてくると、今度はレゴで作った小屋に入れられた。
その黄金虫を、ピカチュウが襲う。次ぎに、ピチュウの扇子で扇ぐ…。
哀れな黄金虫は、動きが鈍くなってきた…。
こなつがトイレに行った隙にそっと逃がす。
で、また次のいけにえ…。

結局こなつは虫嫌いをすっかり返上し、
虫捕獲家になってしまった。
これで、また一つ、男の子に近づいた…?

しかし、幼児に捕まえられて昆虫ほど気の毒な存在はないな…。


海とこなつ

こなつは水を怖がらない。
生後5日くらいで、お風呂に落としても泣かなかったし(なんて親だ)、
公園の噴水でおぼれても泣いたことがない。
もちろん、海も一度も怖がらない。
準備体操もそこそこに、こなつは海へ駆け出していく。

砂浜に座り込み、お山を作っているといきなり波がこなつを襲った。
こなつも油断をしていて、波に引かれて後ろ向きに転がった。
私が慌てて助け起こそうとするとそれよりも早く立ち上がり、
「このやろーーー!こなつの方が強いぞーー!!(怒)」
と、いきなり海にケンカを売っている…。
「キックーキックーー!」と波を蹴り、
腕をぶんぶん振り回すと、仁王立ちして
「かかってこい!」
君の方が弱いよ…。そろそろ、海の怖さも教えないとね。

海との決闘に勝利し(本当か?)満足したこなつは、
また砂のお山の制作に取り掛かる。
大きく砂を積み上げ、最後の仕上げにトンネルを掘っていると、
男の子の兄弟が走りこんできて、お山を壊してしまった。
こなつはお兄ちゃんの方を突き飛ばした。
すると、こなつより小さい弟の方が
こなつを持っていたスコップで叩いた。

緊張の一瞬…。

…こなつは、小さい子を叩けなかった(笑)。
唇をしっかり結んで、私の方を振り返る。
悔しくて、泣くこともできないようだ(笑)。

結局、男の子達は走り去り、壊れたお山とこなつが残った。
ちょびっとかわいそうだったので、お山を一緒に作りながら、
「小さい子、叩かないで偉かったね。」と、褒めた。
こなつは照れて、嬉しそうに笑った。
幼稚園に行くようになって、ちょびっと成長したかな。

お祭りの夜

下田のお祭りは山車が出る。
山車には太鼓がついており、それを二人の方が叩き、
その後を三味線と笛を演奏する人が続く。
こなつは太鼓にあこがれまくっているが、
さすがにそれを叩かせていただくわけにいかない。
こなつは太鼓をあきらめ、山車を引きたいという。
羽織袴で山車を引いている方に頼み、こなつも少し引かせていただいた。
こなつは嬉しくて大張り切り。
山車を引くロープを肩に担ぎ、ぐんぐん引っ張る。
こなつのペースに他の子達も乗せられ、みんなでぐんぐん引っ張り出した。
途端に山車は暴走!
あわてて羽織袴の大人たちが、
後ろからロープを引っ張り調節するが、まるで綱引き状態…。

ごめんなさい…(;_;)。
こなつを山車から引きはがし、
港の花火大会へ向かう。
こなつと二人分、防波堤で座る場所を確保したが、
花火が揚がるたび踊りだすので、何度も海に落ちそうになる。
恐ろしいので、防波堤から降ろし、したから見せる。
「花火うるさーーーーー!」と、叫びながら怪しい踊りを続けるこなつ…。
私はこっそりみんなから離れ、
今年初めて(で、最後)の花火を堪能した。

しかし、何故花火で踊る…。

こなつはすっかり花火が気に入り、
Tさんにねだって花火を家ってもらう。
気に入ったのは、ネズミ花火…。

ますます攻撃的になっていく…(;_;)。

今年の下田は雨も少なく、夏休みを堪能できた。
自然の中で、真っ黒に日に焼けたこなつ。
楽しく過ごせてよかったね。
母は、少し疲れたよ…(笑)。

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